オンラインストアは今やごまんとありますが、その中で個人運営の自社ストアを目立たせるにはどうしたら良いでしょうか。本格的なネットショップを構築すれば、ブランドのオリジナリティを出して競合と差をつけることができるでしょう。スモールビジネスに適したEコマーススツールを使えば、より多くの顧客を獲得し、売上を伸ばすことができます。この記事では、個人でネットショップを開業する際におすすめのプラットフォームをご紹介します。
個人向けのネットショッププラットフォーム7選
1. Shopify(ショッピファイ)
- 価格:ベーシックプランの場合、月額3,650円(年払いの場合)
- 無料トライアル期間:要問い合わせ
- 連携対象の販売チャネル: 構築したECストア、実店舗、SNS、Eメール、マーケットプレイス、オンライン検索、BtoB向け卸売りストアなど
- モバイルアプリ: あり
- POSシステム: あり
- ITreview(アイティーレビュー)でのユーザー評価:4.2/5
Shopifyは個人でビジネスを始める人にとって最高のEコマースプラットフォームです。ウェブサイト構築のための包括的な機能を利用できるほか、構築したサイトや実店舗、SNS、マーケットプレイス経由で販売するためのツールなどをShopify App Storeからダウンロードして利用できます。プロがデザインした100以上のShopifyテーマを使ってストアを簡単にデザインすることができるため、はじめてオンラインショップを始める場合でも問題なく販売を開始できます。ウェブサイトでShopifyを使用したウェブサイトの作成例(英語)が公開されているので、0からアイデアを生み出していく必要はありません。
Shop Pay(ショップペイ)などのShopifyの自社サービスを使えば、取引手数料を手頃な価格に抑えることができます。また、実店舗での販売も検討している場合は、Shopify POSを利用すればオンライン店舗と実店舗の管理を一元的に行うことが可能です。配送に関しては、オープンロジ、シッピーノ、スピードロジ、はぴロジなどの物流・発送代行サービスと連携したり、プラスシッピングなどのアプリ経由でヤマト運輸や日本郵便、佐川急便を特別価格で利用したりできる環境が整っています。そして、Shopifyのプラットフォームでは帯域幅とオンラインストレージを無制限に利用できるため、ビジネスが成長して取り扱う商品や決済が増えてもホスティング料金が上がることはありません。
その他にも、メールマーケティング機能、カゴ落ち対策、SEO対策ツールが付属しています。モバイルアプリを使用すれば、携帯電話からビジネスを管理することができ、注文の処理、商品の追加、売上のリアルタイム表示などを行うことができます。
2. Wix(ウィックス)
- 価格:スモールビジネスプランの場合、月額2,100円
- 無料トライアル期間: なし(ただし無料プランあり。また、有料プランでは14日間の全額返金保証制度あり)
- 連携対象の販売チャネル: 構築したECストア、実店舗、SNS、マーケットプレイス、ストア独自モバイルアプリ
- モバイルアプリ:あり(基本的な機能のみの提供)
- POSシステム:あり
- ITreviewでのユーザー評価:3.6/5
Wixは、ネットショップ向けの機能を搭載したウェブサイトを個人で構築できるプラットフォームです。スモールビジネスプラン以上を選択すると、注文追跡、オンライン決済、マルチチャネル販売、カゴ落ちメールの自動送信などの機能が利用できます。無料プランも用意されていますが、販売サイトのKPI(主要業績評価指標)データを確認するには、いずれかの有料プランに登録する必要があります。
オンラインストアのデザインに関しては、800以上のテンプレートから選択して、ドラッグ&ドロップで簡単にカスタマイズできます。Wixを使ってサイトを構築する場合、基本的には月払いや年払いでの契約が必要です。なお、外部サービス経由でドロップシッピング(日本語非対応)を設定することも可能です。
3. Weebly(ウィーブリー)
- 価格:Personalプランの場合、月額10米ドル(年間契約の場合)
- 無料トライアル期間:なし(ただし無料プランあり)
- 連携対象の販売チャネル: 構築したECストア
- モバイルアプリ: あり
- POSシステム: なし
- ITreviewでのユーザー評価:3.9/5
Weeblyはカード決済システムで知られるSquareによって運営されており、Squareが提供するさまざまな機能、たとえば安全な買い物カゴシステムや在庫管理システムなどと連携させて使用することができます。
Weeblyを使って構築すると、ECストアで検索の絞り込み機能やモバイル経由での購入手続きを快適にする機能や柔軟な配送オプションを提供できるほか、受注管理・処理機能も利用できます。Weeblyは高度な機能が提供されていないものの、シンプルで始めやすい設計となっています。
4. WooCommerce(ウーコマース)
- 価格: 無料(ホスティング、ドメイン登録、SSL、配送サービス、決済処理など、ネットショップに必要な機能はなし)
- 連携対象の販売チャネル: 構築したECストア、実店舗、オンライン検索、マーケットプレイス、SNS
- モバイルアプリ: あり(基本的な機能のみの提供)
- POSシステム: あり
- ITreviewでのユーザー評価:データなし
WooCommerceは、ブログサイト用のプラットフォームとしてスタートした、WordPressに追加して使用するオンライン販売用の無料プラグインです。WooCommerceはウェブサイトを構築するためのコードが公開されているため、ウェブサイトをデザインしコーディングする技術力があれば、高度なカスタマイズが可能です。Shopifyと同様、WooCommerceではサードパーティ製の機能拡張ツールが無料や有料で提供されています。WooCommerce自体は無料のプラグインですが、ストアの成長に応じて有料の機能拡張ツールが必要となっていくでしょう。
WordPressを使って作ったブログサイトも、WooCommerceを使ってShopifyの購入ボタンのような商品カートと購入システムを兼ね備えた機能を追加すれば収益化できます。
5. Squareオンラインビジネス
- 価格: フリープランの場合、無料(基本的な機能のみ。売れた際に決済手数料が必要)
- 無料トライアル期間:なし
- 連携対象の販売チャネル: 構築したECストア、実店舗、オンライン検索、SNS
- モバイルアプリ: あり
- POSシステム: あり
- ITreviewでのユーザー評価:データなし
Squareオンラインビジネスは、小売店やレストランのような小規模ビジネス向けにカスタマイズされたテンプレートを備えたプラットフォームです。Squareオンラインビジネスを提供するSquareは元々、小売り向けのPOS端末を提供する会社として創業しましたが、のちに、他のビジネス管理ツールも手掛けるようになりました。Squareオンラインビジネスはその一つです。Squareオンラインビジネスを使えば、手頃な決済手数料でネットショップに決済システムを導入できます。
6. BASE(ベイス)
- 価格: スタンダードプランの場合、無料(売れた際に決済手数料が必要)
- 無料トライアル期間:なし
- 連携対象の販売チャネル: 構築したECストア、マーケットプレイス、広告、SNS
- モバイルアプリ: あり
- POSシステム: あり
- ITreviewでのユーザー評価:4.0/5
BASEは、初心者でも簡単にネットショップを開設できる日本のプラットフォームです。さまざまなデザインや機能が備わっているテンプレートを駆使して、コードなしでプロフェッショナルなオンラインショップを作成できます。
スマホアプリからでも簡単に商品登録や注文管理ができるため、どこでも手軽にウェブサイト運営が可能です。また、ビジネスの成長次第では、審査に通過することでBASEに出品している商品をポップアップとして実店舗で販売することもできます。
7. STORES(ストアズ)
- 価格:フリープランの場合、無料(売れた際に決済手数料が必要)
- 無料トライアル期間:有料のベーシックプランについては、クレジットカードでプラン料金を年払いした場合、初月が無料
- 連携できる販売チャネル: 広告、SNS
- モバイルアプリ: あり
- POSシステム: あり
- ITreviewでのユーザー評価:3.8/5
STORESは、誰でも簡単にECサイトを構築できる日本のプラットフォームで、特に無料プランでも登録アイテム数に制限がないのが特徴です。そのため、季節などで商品数の変化が多いブランドでも安心してウェブサイトを運営することができます。ドラッグ&ドロップで簡単にページを編集できるため、オンライン販売が初めてでも直感的に操作が可能です。また、有料のベーシックプランではアクセス解析や品番管理などビジネスオーナーが助かる機能に加えて、代引き払いや配送日時指定の機能などユーザーにもうれしい機能が利用できます。新規相談窓口、運営サポートやセキュリティ対策も整っており、安心して利用できる点もメリットの一つです。
個人がネットショッププラットフォームを選ぶ際に考慮すべきこと
初期費用とランニングコスト
予算を立てることは個人がプラットフォームを選ぶ際、特に重要となります。サーバーレンタル費用、決済手数料、追加サービスやプラグインの料金、開発が必要となる場合はその費用など、初期費用とランニングコストを確認していきましょう。
使いやすさ
販売サイトを構築するプラットフォームは、専門的な知識がない人でも分かるような直感的に操作できるものを選びましょう。商品の追加、値引きの設定、注文や在庫の管理など、重要な作業を専門知識なしで簡単にこなせるものがおすすめです。
機能の拡張性
ビジネスの成長に合わせて機能を拡張できるプラットフォームが必要です。ウェブサイト訪問数や販売量の増加に対応できるものを使用しましょう。
カスタマイズオプションの豊富さ
個人でECストアを始める場合、ブランドイメージがしっかりと伝わるウェブサイトを作ることが必須となります。顧客に合わせて購入環境を最適化できる機能があるほか、自由自在にページレイアウトを設計できるプラットフォームが適切です。
安全性
Eコマースではクレジットカード情報のような機密性の高い顧客データを扱うため、セキュリティを担保することが必須となります。選択したプラットフォームがPCI-DSS(Payment Card Industry Data Security Standard:PCIデータセキュリティ基準)に準拠し、SSL(Secure Sockets Layer)に対応していることを確認してください。
他サービスとの連携性
外部ソフトとの連携が可能なプラットフォームを使ってECサイトを構築しておくことをおすすめします。ビジネスの成長に合わせて、メールマーケティングのツール、会計ソフト、顧客関係管理システムなどの外部ソフトを使用して新規顧客の獲得やキャッシュフローの改善を行いたいと考えるときが来るかもしれません。現段階で必要なくても、将来的に必要になる可能性もあります。
携帯画面での見やすさ
スマホ経由で商品を購入する人が増えていることから、スマホ環境でも画面や文字サイズが最適となるECサイトを構築する必要があります。サイト構築に使うプラットフォームがモバイルデバイス対応のテーマやテンプレートを提供しているかどうかを確認しましょう。
運営サポートの充実度
顧客との間で問題が発生したときや、プラットフォームの機能について質問したいときなどに頼れる24時間体制の運営サポートを提供しているプラットフォームを探しましょう。Shopifyヘルプセンターでは、24時間体制で運営に関する質問に日本語で対応しています。また、利用者同士でやり取りできるShopifyコミュニティや、よくある質問への回答も提供されています。
マーケティングツールの有無
マーケティングに関する機能が提供されているプラットフォームを選ぶことが大切です。たとえば、SNSとの連携、メルマガ配信、商品をカートに入れた後に何らかの理由で購入手続きを完了せず、サイトから離脱してしまうカゴ落ちの対策、口コミなどのUGC(ユーザー生成コンテンツ)などの機能を持つプラットフォームを使用しましょう。
在庫管理のしやすさ
商品点数が多く、取り扱う商品が多種多様である場合は、一括で商品データをアップロード・ダウンロードする機能、在庫数のお知らせ機能、色違い、サイズ違いなどの商品バリエーションを登録できる機能など、強力な在庫管理機能を備えたプラットフォームを選択するのが良いでしょう。
支払い方法の種類
クレジットカードやデビットカード、Shop Pay、Apple Pay(アップルペイ)など、さまざまな支払いオプションを準備しましょう。決済代行サービスを利用すれば、さまざまな支払い方法への対応を1つの契約で実現できます。
まとめ
ネットショップ開業は、個人で仕事をしている人にとって、ビジネスを次のレベルに引き上げる絶好の機会です。ネットショップを構築できるプラットフォームにはさまざまなものがありますが、それぞれ強みが異なり、事業の規模や目的に応じた選択が求められます。選択する際は、ウェブサイトの運用にかかる費用だけではなく、商品販売のしやすさや、ビジネスの成長に合わせて機能を拡張できるかなどを確認しましょう。たとえば、Shopifyであれば機能の拡張性とカスタマイズ性が高いので、ビジネスの成長に合わせてウェブサイトを変更しやすい上に、オンライン販売の初心者から上級者の全てのニーズに対応することができます。それぞれのプラットフォームの特徴を理解し、ブランドイメージにふさわしいネットショップを開業しましょう。
よくある質問
個人に最適な販売プラットフォームは?
以下の7種類をおすすめします。
- Shopify
- Wix
- Weebly
- WooCommerce
- Square Online
- BASE
- STORES
初心者に最適なネットショッププラットフォームは?
Shopifyは初心者に最適なネットショッププラットフォームとして広く認知されています。構築したECストアや実店舗、SNSや外部のマーケットプレイス経由で販売するためのツールが提供されています。その他にも、マーケティングツールや在庫管理などの機能を自由に実装できるため、オンライン販売の初心者でも問題なく利用可能です。
個人事業主がネットショップ開業時によく利用しているECサイトは?
Shopifyは画面表示が分かりやすく、販売に関する包括的な機能があり、拡張性が高いことから、多くの個人事業主がネットショップ開業時に選択しています。
個人がネットショッププラットフォームを選ぶ際に考慮すべきことは?
個人がネットショップのプラットフォームを選ぶ際に考慮すべきことは以下の通りです。
- 初期費用とランニングコスト
- 使いやすさ
- 機能の拡張性
- カスタマイズオプションの豊富さ
- 安全性
- 他サービスとの連携性
- 携帯画面での見やすさ
- 運営サポートの充実度
- マーケティングツールの有無
- 在庫管理のしやすさ
- 支払い方法の種類
文:Ryotetsu