サイバーマンデーという言葉を聞いたことはあるでしょうか。
「セールのことでしょ!」と即答したあなた、大正解です。
「聞いたことはあるけれど、何だっけ?」というあなたも、「Amazon(アマゾン)のサイバーマンデー」と聞けば、「ああ、そう言えば、そんな名前のセールがあったな」と思い出すかもしれません。
実際のところ、Amazon(アマゾン) Japanがサイバーマンデーのセールを開催するようになってから、BFCM(ブラックフライデー・サイバーマンデー)という言葉を日本でも頻繁に見聞きするようになりました。ところで、ほぼ同時期に開催されるこの2つのセール、違いは何なのでしょうか。
今回の記事では、サイバーマンデーの意味や由来、ブラックフライデーとの違いを解説するとともに、BFCMセールを開催するメリットや販促のアイデア、BFCMを成功させるためのポイントについても紹介します。
サイバーマンデーとは
Photo by: Nicole De Khors / Burst
サイバーマンデーとは、アメリカの祝日である感謝祭(サンクスギビングデー)の翌月曜日から開催されるオンライン上の大規模セールのことです。感謝祭は毎年11月の最終木曜日と決まっており、サイバーマンデーはその4日後になります。
ちなみに、「サイバー」とは「コンピューターの」あるいは「インターネットの」という意味です。「サイバーマンデー」と言うときには、オンラインショッピングの意味で使われています。
2024年のサイバーマンデーはいつ?
2024年のサイバーマンデーは12月2日(月)です。感謝祭からのスケジュールを振り返ると、
- 感謝祭:11月28日(木)
- ブラックフライデー:11月29日(金)
- サイバーマンデー:12月2日(月)
となり、感謝祭が終わると同時に大規模なセールが立て続けに開催されることになります。
サイバーマンデーの由来
そもそも、感謝祭の後に2つのセールが開催されるようになったのはなぜでしょうか。
日本ではあまり馴染みのない感謝祭ですが、アメリカではこの時期になると一気にお祭りムードが漂います。連休をとる人が多く、家族でごちそうを食べたりアメリカンフットボールの試合をテレビで観戦したりするのが感謝祭の一般的な過ごし方です。
このお祭りムードを商機と捉えた小売店は、感謝祭の翌日に大規模セールを仕掛け、一日にして莫大な売上を記録しました。このセールの日は、後にブラックフライデーと呼ばれるようになりました。
さらに商機を逃すまいとしたのが、ECサイトを運営するショップです。消費者が連休中に買い逃した商品を自宅から購入できるようにと、連休後にオンライン上での大規模セールを開催しました。これがサイバーマンデーの始まりです。
ブラックフライデーとサイバーマンデーの違い
ブラックフライデーとサイバーマンデーはそれぞれ別の時代に生まれ、かつては開催される時期や場所に明確な棲み分けがありました。
起源としてはブラックフライデーの方が古く、1950年代から1960年代にかけて、感謝祭翌日の金曜日に年末商戦の幕開けとして定着しました。その後、インターネットの普及によりオンラインショッピングが自由にできるようになった2005年頃、感謝祭明けの月曜日にサイバーマンデーのセールが開催されるようになりました。
2つのセールの違いを一言で言えば、ブラックフライデーは休暇中に実店舗で開催されるセール、サイバーマンデーは休暇後にオンラインで開催されるセールということになります。特に個人宅にインターネット回線が普及する以前は、休暇中には家族総出でお店に足を運び、休暇が明けてからは職場の高速回線を使ってオンラインショッピングを楽しんだという話もあるほど、2つのセールはそれぞれ違う意味を持っていました。
しかし、それはあくまでもひと昔前の話です。オンラインショッピングが自宅のパソコンやスマホからも快適にできるようになった現在では、休暇中も人混みを避けてオンラインで買い物を済ませる消費者が増え、ネットショップも前倒しでセールを開催するようになっています。その結果、ブラックフライデーとサイバーマンデーの境界線は曖昧になっていると言えるでしょう。
日本のサイバーマンデー
日本におけるサイバーマンデーの火付け役となったのは、ECモールの王者Amazon(アマゾン) Japanです。2012年、Amazon(アマゾン) Japanは12月第2月曜日を日本のサイバーマンデーとして記念日登録し、日本にサイバーマンデーを普及させることに成功しました。
Amazon(アマゾン) Japanが日本のサイバーマンデーをアメリカよりも2週間ほど遅く設定したのは、最も多くのユーザーがECサイトにアクセスするボーナス支給時にセール期間を合わせたからだと言われてます。その後、サイバーマンデーはAmazon(アマゾン)の代名詞となるほど有名なセールになりました。
ただし、日本人にとってサイバーという言葉に馴染みがないことや、ブラックフライデーの認知度が上がってきたこともあってか、日本ではECサイトで販売する場合でもブラックフライデーを謳ったセールをするケースが増えてきています。
従来はサイバーマンデーのみを開催していたAmazon(アマゾン) Japanも、2019年に初のブラックフライデーを開催しました。さらに、2020年には「Amazon(アマゾン)ブラックフライデー&サイバーマンデー」として5日間連日でセールを開催するといった具合に、BFCMをめぐるセールのあり方は時代とともに変わってきています。
BFCMセールを開催するメリット
海外ブランドを扱うショップならともかく、日本のECサイトでブラックフライデーやサイバーマンデーを開催することに抵抗を感じる人もいるかもしれません。しかし、BFCMセールを開催するメリットはたくさんあります。
買い控え時期の売上アップ
11月は年末商戦を目前にECサイトの消費者の財布の紐が固くなる時期です。アメリカでブラックフライデーが生まれたのも、売上が伸び悩む企業が感謝祭のお祭りムードに便乗して特大セールを開催したからでした。
買い控えを解消する手っ取り早い方法はセールです。日本の11月には感謝祭の代わりに勤労感謝の日があるので、この時期に合わせてBFCMセールを開催するショップも多数あります。
集客につながる
ECサイトは集客が命です。ECモールに出店するのであればECモール自体のネームバリューで集客できるかもしれませんが、自らネットショップを立ち上げてD2Cに挑戦する事業者にとっては、あの手この手で集客に力を入れる必要があります。
日本でもブラックフライデーやサイバーマンデーの認知度が高まるなか、BFCMセールは格好の宣伝材料になります。競合ブランドがBFCMセールを開催していないのであれば、なおさらチャンスです。
エンゲージメントが高まる
せっかく集客ができても、最終的には商品を購入してもらわなければ売上にはなりません。多くの場合、ユーザーは一度ECサイトを訪れただけで購入を決めることは稀で、納得するまでさまざまな情報を収集します。
ユーザーエンゲージメントを高めるためには、商品のペルソナを定めてユーザーにとって有益なコンテンツを継続的に発信することが重要ですが、BFCMセールのようなイベントはとりわけユーザーの購買意欲を掻き立てます。ぜひ積極的にBFCMセールを開催して売上拡大につなげましょう。
海外のイベントが日本に定着した事例
BFCMセールを開催するメリットが明白であってもなお、海外のイベントが日本に定着するのか、ビジネスとして成功するのか、という疑問は残るかもしれません。そこで、海外のイベントが日本に定着し、さらには日本独特の商業イベントへと発展した事例を紹介します。
バレンタインデー
もともとバレンタインデーはキリスト教の聖人を祝う日です。海外では男性から女性に贈り物をすることが多く、プレゼントの内容は花やメッセージカードが一般的となっています。
ところが、日本でバレンタインデーと言えば、女性が男性にチョコレートをプレゼントする日として定着しています。また、ホワイトデーという独自の文化まで生み出し、製菓会社にとっては嬉しい日本最大級の商業イベントとして発展しました。
ハロウィン
ハロウィンもキリスト教にまつわるヨーロッパ発祥のイベントです。海外ではハロウィンの夜、子どもたちが仮装をしてお菓子をもらいに近所の家を練り歩く姿が見られます。
しかし、もともとコスプレ文化が盛んな日本ではハロウィン当日に仮装する大人も多く、ハロウィンがなければ誰も買わないコスプレ用品の需要が高まりました。今や、日本のハロウィンは、東京ディズニーランドのようなテーマパークから街の飲食店に至るまでが恩恵を受ける一大イベントです。
購買意欲を高めるための販促アイデア
日本でBFCMを盛り上げることができるか否かは、各ショップの事前準備にかかっていると言っても過言ではありません。消費者の購買意欲を高めたいときに役立ついくつかの販促アイデアをご紹介しましょう。
値引き
一番わかりやすいのは値引きです。通常の販売価格を下げて単価あたりの利益率が下がったとしても、数を売ることができればショップ全体としての収益が上がります。「〇〇%オフ」「〇〇円引き」「2つ買うと1つ無料」など、商品に合わせた値引き方法を考えましょう。
ポイント還元率アップ
ポイント制度はお店にとって一石二鳥です。一見すると値引きにも似ていますが、ポイントを還元する代わりに通常価格で販売し、さらにブランドへのロイヤリティを高めることができるので、ぜひBFCMの販促にも上手に活用しましょう。
期間限定・数量限定
大規模な値引きが難しい場合には、値引きする期間や数量を制限するという方法があります。「タイムセール」「先着100名様」のように期間や数量を限定することによって、利益を確保しつつも十分な販促効果を得ることができるでしょう。
限定商品
ブランドイメージを保つために値引きはしたくないという場合は、BFCMにしか販売されない特別なアイテムやカラーを準備することで新たな話題を作ることができます。ブランドのコアなファンにとって、限定商品はユーザーの心をくすぐる要素となります。
ノベルティ
商品購入時にちょっとしたおまけをプレゼントすると、消費者の購買意欲が高まるだけでなく、ブランドのイメージ向上を狙うことができます。ブラックフライデーにちなんだ黒いアイテムや、商品の宣伝になるサンプルなど、さまざまなノベルティの可能性を考えましょう。
福袋
福袋は初売りのイメージがあるかもしれませんが、実はBFCMでも定番の人気商品です。何が入っているかわからないワクワク感でイベントを盛り上げましょう。
BFCMを成功させるポイント
最後に、BFCMの前を成功させるためのポイントを紹介します。
販売戦略を考える
まずは、BFCMで何を販売すべきかを考えます。売れ残り在庫を一掃させるのか、売れ筋商品の売上をさらに上げるのか、トレンドにも注意を払いながら販売戦略を立てましょう。
競合を研究する
他のショップがどのようなセールを打ち出しているのかを研究し、自社でも利用できるアイデアはないか考えましょう。2020年のBFCMの開催店舗の事例については、こちらの記事をご覧ください。
SNSやメルマガで宣伝する
セールの内容や期間が決まったら、SNSやメルマガで事前告知をしましょう。単なるセール開催の告知ではなく、ユーザーの好奇心を刺激するような見せ方やキャッチコピーが効果的です。
ECサイトのスピードを改善する
BFCM期間はトラフィックの急増が予想されます。ECサイトの読み込みスピードが遅い場合、ユーザーは競合サイトに流れていくので、事前にサイトスピードとパフォーマンスを改善しましょう。
発送体制を整える
BFCM期間は短期間で大量の商品を発送しなければなりません。人手不足の場合は一時的に発送スタッフを雇うことも検討しましょう。
日本のBFCMをさらに盛り上げよう
アメリカの感謝祭を起源としたブラックフライデーと、ブラックフライデーから派生したサイバーマンデー。2つのセールの由来を改めて知ると、今後のBFCMはますますネットショップに追い風が吹くことが期待できます。
日本におけるBFCMの歴史はまだまだ始まったばかりです。バレンタインデーやハロウィンが商業イベントへと発展して消費を底上げしたように、BFCMも盛り上げ方次第でさまざまな需要を生む可能性を秘めています。
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